HungryPeople による Posterous 共同設立者 Sachin Agarwal へのインタビューの日本語訳
How To Be prePosterous - HungryPeople (2009/12/10)
HungryPeople というインタビューサイトに掲載されている、Posterous 共同設立者 Sachin Agarwal へのインタビュー。
そのインタビュアー Jay にご快諾いただき、拙訳を以下に記す。
How To Be prePosterous(とんでもなくなるためには)
Posterous を起ち上げた時の話を聞かせてほしい。名前の由来も。
ギャリーと私は 2008年に Posterous を起ち上げた。
既存のブログサービスは使いづらいうえに、写真・音声・動画といったファイルの取り扱いに長けているわけでもなかった。私たちは、もっとできるだけシンプルで、反面もっとパワフルなものを作りたかった。そこがただのマイクロブログとの違いだ。
Posterous の名付け親はギャリーだ。最初のキャッチコピーは「とんでもないほど簡単にブログをやる方法」( the preposterously easy way to blog. ) だった。
Posterous というサービス名についてだが、ポスト (post) という文字が入っているのが気に入っている。名が体を表していると思う。
訳注
- マイクロブログ:Twitter のようなテキストのみの簡易ブログ的なものを指す用語。
- Posterous:ポスター (poster) と同意語。
- 現在のキャッチコピー:「Eメールで作れる、死ぬほど簡便なブログ」( dead simple blog by email. )
Posterous の最大の利点は何か?
Eメールによるシンプルな投稿と管理、しかもその実驚くほどパワフル、という点だ。
だから将来、何億人という人たちが Posterous を使ってくれると思っている。なぜなら、Posterous を使えるかどうかはその人の IT スキルの多寡に依存しないからだ。
最初は Posterous をマイクロブログだと思って使い始める人もいるだろう。だがそのうちに、Posterous を使ってどんなサイトでも作ることができると、気づいてくれるだろう。
あなたが気に入っているソーシャルメディアサイトは何か?
Facebook だ。Twitter よりもずっと気に入っている。
私が読みたいのは、自分の知人についてのあれこれだ。見ず知らずの人のアウトプットがランダムに表示されるのを読みたいわけではない。それに140文字のテキストだけじゃなく、写真や動画も見たい。
Facebook でのやりとりは写真や動画のおかげでもっと親密なものになるので、私の読み書きも圧倒的に Facebook 主体になる。…もちろん Posterous 以外では、だよ!
訳注
- Twitter に投稿できるのは 140 文字のテキストのみ。写真や動画を直接埋め込むことはできず、それらはリンク文字列として記述するしかない。
- ただしサードパーティのアプリケーションの中には、それらのリンク文字列を元の写真や動画に変換してインライン表示する機能を持ったものがある。
どうやってガイ・カワサキに Posterous のコンセプトを売り込んだのか?
彼が求めていたものに Posterous の機能がまさにうってつけだったんだ。
彼は iPhone で撮った写真を web にアップロードして、それを自動で Twitter にも反映させたがっていた。Posterous ならそれが可能だ。さらにサイトのカスタマイズも自由自在だし、独自ドメインも使えるし、広告は一切表示されない。ガイ・カワサキというブランドは彼自身にとっても重要なものなので、彼はブログサイトを自分のコントロール下に置く必要があったんだ。
訳注
- ガイ・カワサキは 1980年代のアップルコンピュータでエバンジェリストとして活躍した人物。現在はベンチャーキャピタリストとしての活動が主。著名ブロガーでもあり、Posterous を利用中。
- 「コンセプトを売り込んだ」という質問文から推測すると、Posterous.com はガイ・カワサキから出資を受けたのかもしれない。
起業で一番重要なことは何か?
スピードだ。我々が Posterous で実践していることには満足している。我々が会議を行うとき、機能改善や何かの社内許諾が議題になることはない。何か実装したい機能があるのなら、すぐにモニタに向かってコードを書き、翌日にはそれを世界中に向けて公開すべきだ。
いま web で最大のビジネスチャンスはどこにあるか?
音楽サービス、それももっと優秀なレコメンドシステムや配信サービスだ。数年以内にはこうしたサービスが多勢を占めるようになると思う。
みんな音楽が好きだ。iPod & iTunes は音楽の聴き方を変えてしまった。だがこれからは Lala や Spotify のようなサービスが、新しい音楽を見つけるためのツールとしてぐっとポピュラーになるだろう。しかもこれらのサービスは合法だ。そこが素晴らしい。
訳注
- 2009年12月6日に、Lala はアップルに買収された。アップルが展開する音楽サービスに Lala のリソースが流用されると見られている。
- このインタビューが掲載されたのはその数日後の12月10日。収録日は不明。
あなたが Posterous の経営以外にやっていることは何か?
Posterous の経営だけでいっぱいいっぱいだけど、なんとかコードを書く時間を見つけて書いている。
仕事以外ではフィアンセとの時間が一番重要だ。これから結婚に関する諸々の準備に追われることになるだろう。
大事なのは、バランスと、家族だ。だから仕事から離れている間は、大切な人たちと一緒にいたい。
あなたのヒーローは誰?
唯一、私の父だ。
父は真の企業家だ。あらゆるリスクを負いながら、幾度も、ゼロからビジネスを起ち上げてきた。
彼は信じられないほど知的で、私は人生におけるあらゆる事項について彼に尋ねることができる。
あなたがいま渇望しているものは何か?
もっといいソフトウェアだ。
電話やコンピュータに限った話ではない。自動車、ステレオ、家電…。どれも搭載されているのは煩わしいソフトウェアばかりで、iPhone のような品質と洗練さを持ったものなどひとつもない。
こんな状況がそのうち変わるよう願っている。
iPhone の登場以降、あなたにとって欠かせないガジェットは他に何かあるか?
キヤノン 5D Mark II だ。私は昔から写真を撮りまくるのが趣味なんだ。大学生の時分は常にカメラを持ち歩いていたし、いまでもどこに行くときでもカメラを持っていく。
最近はデジイチで動画を撮るのも大好きだ。アップルで働いていたときは Final Cut Pro の部門に6年間もいたけど、当時よりいまのほうがずっと Final Cut Pro を使いこなせている。
Posterous の共同設立者であるギャリーについて、もう少し聞かせてほしい。
ギャリーと私は一緒にスタンフォード大学に通った仲で、サークルも同じだった。
彼は単に優秀なエンジニアなだけではなく、私が見てきた中で最も優れた web デザイナーであり、インタフェース設計者だ。
我々は一緒にとてもうまくやっているし、彼なしでは Posterous も生まれ得なかっただろう。
Sachin Agarwal について
Posterous.com の共同設立者であり CEO。
設立前に6年間、アップルの Final Cut Pro 部門で働いていた。
写真撮影が趣味で熱心なブロガーでもある。
ブログ作成と写真のインターネット共有をより簡単にすべく、Garry Tan と共に Posterous.com を起ち上げた。
2002年にスタンフォード大学を卒業。取得学位はコンピュータサイエンス。
(以上)
